バドミントンダブルスの後衛の役割。効果的な攻撃方法と練習メニュー。

バドミントンのダブルスで重要なポジションとなる後衛ですが、皆さんはダブルスをやったことあるでしょうか?

無いという方でも、今でしたら動画サイトなどで簡単に見れるので見たことくらいはあるのではないかと思います。

近年ではオグシオペアから始まり、タカマツペアやフクヒロペア、男子も含めて日本のバドミントン選手がダブルスで目覚ましい活躍をしているのでとても注目されていますよね。

そんなダブルスは攻撃の際にプレイヤーが前後になる時があり、そのときに後ろにいるのが後衛です。

前衛もかなり重要ですが、後衛ももちろん最重要なポジションですので、今回はそんな後衛の心構えや役割を詳しくご紹介していきます。

現在ダブルスをされてる方、これから始められる方は是非参考にしていってくださいね。

バドミントンのダブルスとは

バドミントンにはシングルスとダブルスの二つがあり、ダブルスは個人競技であるバドミントンの唯一の団体競技です。

シングルスは勝敗、成功もミスも全て自己責任であり、それだけに自分というものにしっかり向き合えるものです。

一方ダブルスは、片方だけがものすごく上手くても勝てるものではなく、かと言って上手い人同士で組めば絶対強いというものでもない奥が深い種目です。

シングルは一人ですべてを背負わなければならないですが、ダブルスはお互いの長所と短所を活かしたり補い合えれば強くなれるのがその理由ですね。

例えばですが、スマッシュはものすごい早いけどレシーブが下手な人と、その逆の人が組み、その長所を活かし合って、短所を補い合うことができるのです。

他にも、シングルスではコート上では一人ですが、ダブルスは二人なので精神的な部分でお互い支え合ったり、励まし合ったり出来るのも魅力です。

当然ダブルスですから相方のミスでイライラしてしまったりすることも無いわけではないと思いますので、そういった部分の成長も含めて非常に魅力的なのがダブルスですね。

ダブルスの前衛後衛とは

ダブルスにはローテーションというものがあり、それは今の自分たちのペアの状況によって変わります。

今は守る時の場合は、横並びになるサイドバイサイドという形でコート半分を片方が守るという形になります。

一方で、自分たちが攻撃しているときはトップアンドバックという形で前後にポジションを取ります。

前衛は前に来たシャトルを、後衛は後ろに来たシャトルを担当します。

こういうローテーションの中で、前衛や後衛というポジションにわかれて、それぞれの役割をしっかりとこなすという形になっていくのです。

それでは、今回はトップアンドバックになった際の後衛について、何をするのか、何を意識するのかなどをご紹介していきましょう。

後衛の役割

上記までで軽くふれましたが、前衛後衛のポジションになる場合はこちら側が攻撃側になっているときです。

後ろから攻撃をするということは、ものすごい速いスマッシュで一撃で決めれば良いのかな?なんて思うでしょうし、決して間違いではありませんが、それは正直中上級者レベルになればかなり難しいでしょう。

ダブルスというのはシングルスと比べて守備が硬いので非常にラリーが長く、世界レベルになればラリーが百往復を超えるくらい簡単には決めることが出来ない種目なのです。

スマッシュ一撃で決める、なんて言うことは例えどれだけ速いスマッシュを打てても容易なことではないでしょう。

となると、後衛に求められるのはなんなのかといいますと、意外にも考える事がたくさんあるのです。

後衛の仕事はとても重要な攻撃となるので、退職や洞察力、正確さやショットの強さなど、後衛にはあらゆることが求められます。

では、いくつか個別にご紹介していきましょう。

スマッシュの速さと精度と緩急

先程一撃で決めるのは難しいといいましたが、だからといって速くなくていいわけではありません。

粘る相手を打ち崩すためには当然速いスマッシュは効果的ですので、スマッシュの速さは極力上げておきたいのが後衛の本音ですね。

後衛は何度もスマッシュを打つことになるのですが、なるべく早く相手を打ち崩すために必要なのはまずは速さだと言えます。

ですが、女性だとしたら誰もが速いスマッシュを打てるわけではないですし、速いスマッシュ打てなかったら諦めなきゃダメなのか?って思うかもしれませんが、まだ大丈夫です。

速さにまだ自信がない場合は、スマッシュそのものの精度と、狙う場所やコース、相手の位置をしっかり把握してきれいに打てば十分に相手を崩すことが出来ます。

例えばですが、相手の二人の真ん中をきれいに狙ったり、相手が嫌がる箇所をしっかり狙えるコントロールがあれば十分に勝負できます。

先程も言いましたが、一撃で決めるのが難しいので、まずは相手を崩すことが目標となります。

相手が取りにくいコースを狙えば自然と相手の守備も崩れてこちら側がより攻撃的になれるので、速さが足りないならば精度で補いましょう。

威力がある、精度がいい、どちらかあれば相手は警戒してぐっと構えるので、そこで時折ドロップなどで緩急をつけて相手を崩しましょう。

威力も精度もないスマッシュは相手からすれば全く怖くはないので、ドロップが来てもすぐに前に出てくる体制を整えられています。

ドロップを活かすためにも、威力か精度どちらかはしっかりと見に付けていてください。

もちろん、両方兼ね備えてるのがベストですが、これはダブルスですので、足りない部分は補い合えるので、とりあえずは自分が特化できる方を極めるようにしましょう。

打ち続ける体力をつける

後衛は主にスマッシュの連打になりますので、それを打ち続ける体力が必要です。

疲れたからと言って全体的に甘いスマッシュを打つと展開はすぐに変わり、相手の攻撃チャンスにうつってしまいます。

自分たちが攻撃側でいるうちに決めるのがベストですので、ある程度打ち続けても大丈夫なようにしっかり体力をつけるようにしましょう。

もちろん、何十発も連続で打つのは誰でもきついと思うので、そういうときはドロップでもクリアでもいいですが、しっかりと狙うべき場所を狙って簡単に相手のチャンスにはならないように注意してください。

普段のノック練習などでひたすらスマッシュを打つ練習などを多めにやったりすると効果的であると思います。

フットワークを鍛える

スマッシュの方でも言いましたが、何度もスマッシュを打つために精度や威力を鍛える必要があるのですが、それ以前にシャトルにしっかり追いついていなければいいスマッシュは打てないでしょう。

無理な体制から打った微妙なスマッシュはピンチを招くだけになりますし、相手も当然簡単に打たせてくれるところには返球してこないはずです。

相手に返球のコースを狙わせる余裕が無いほどのスマッシュを打てればそれでいいのですが、ダブルスはそうは行きません。

右側ギリギリで打ったスマッシュを反対の左奥へレシーブで返されたら、それを取りに行くのはスマッシュを打ったばかりの後衛の仕事です。

そのシャトルに追いつけず落としてしまったり、バックハンドで甘い返球などをしていたら相方からの信頼も下がってしまいます。

普段のフットワーク練習からしっかりやって、自分が後ろのときは安心して前だけ見てて見てていいよって前衛に言えるくらいにしっかりとしたフットワークを身に着けましょう。

前衛の動きを把握する

スマッシュの精度にも少し関わってきますが、後衛から攻撃する際は前衛の位置や体制をしっかり把握するようにしましょう。

前衛が左側にいるのに、相手の右側にスマッシュを打ったら、それをストレートで返されたら誰も取れませんし、もし前衛が倒れてたりしたらクリアで時間を稼ぐなど、その都度前衛の状況をしっかり把握できるようにしましょう。

転んでたり、極端な場所に前衛がいるのはやや前衛のミスでもありますが、前衛は基本振り返ることが出来ずどっちに打つかなんて予想はできません。

そういう部分は全体が見れる後衛がしっかり意識してあげるようにしてください。

こういう部分は長いペアなどなら感覚でわかりあることもありますが、まだ結成して短いペアなどはしっかりと事前に話し合い、こういう場合はこう打つからこうしてほしいなど事前に話し合ったほうがいいですね。

ダブルスは二人の息が合ってるか合ってないかが非常に重要ですので、自分が後ろにいる場合は前衛のことをしっかり意識するようにしましょう。

タカマツペアの例

リオ五輪で金メダルをとったタカマツペアですが、このペアは長所を活かすことに非常に特化しているペアだと思うので簡単にご紹介します。

まずは大前提として、お二人とも学生時代から学校も個人も全国大会常連の実力者で、松友さんに関しては高校三冠も獲得されている実力者です。

なので、ふたりとも何をやらせてもとても高い水準なのですが、不思議なことに二人共社会人になってからはシングルではそこまで目覚ましい成果は残せていないのです。

そんな二人がダブルスを組み、世界で頂点に立ったということがやはりダブルスの奥深さを伝えてくれますよね。

そんな二人の特徴として、お互いの前衛後衛の優劣があると思います。

二人共何をやらせてもうまいのは先程も言いましたが、そんな中でも特に世界トップレベルな部分を最大限活かすようなダブルスをしているのです。

高橋選手は世界でもトップレベルの速いスマッシュを、松友選手は世界トップレベルのネット前を、この二つが最大限発揮できるようにしています。

多少無理矢理でも後ろに下がるのは高橋選手で、前に出るのは松友選手という感じで、普通のペアならどっちが行くか迷いそうな打球でも、何も迷わずに動き出します。

お二人が高校から組んでる10年来のペアだからできることではありますが、ダブルスはそうやって長所を最大限活かし合えれば勝率はぐっと上がることを証明してくれました。

二人の試合を見てみると、本当に阿吽の呼吸という形で、ダブルスとはなんなのかというのを見事に表してくれていると思います。

とても参考になると思いますので、もし見たこと無い方は是非チェックしてみてください。

とにかくコミニュケーションが大事

これは精神論かと思うかもしれませんが、やはりギスギスした関係では本来の力は発揮できないと思います。

ミスしたことをただ励ますのは確かに甘やかしや馴れ合いかもしれませんが、ただ文句だけ言ったり、あからさまに態度に出すのはやめましょう。

二人共が本来のパフォーマンスを発揮するには、お互いをしっかりと理解し、フォローし合うことが重要です。

後衛を多くやれば当然疲れますし、取られてばっかりだとイライラもします。

しかし、相手からすればそのイライラがとてもありがたいんですよね。

イライラすれば自然とミスにも繋がりますし、やる気も低下するので、相手からすれば願ったり叶ったりです。

せっかく二人いるんですから、どちらかが苦しんでいたらそれをさせ励まし合って強くなる。

それがダブルスの醍醐味でもあり、とても素晴らしい部分だと思いますので、そんなダブルスになれるように普段から意思の疎通やコミニケーションを図るようにしてください。

まとめ

後衛はとにかく相手を崩して、こちら側が決めるチャンスを作ることが求められます。

そのためには、速かったり精度が高かったり、相手が嫌がるショットを打てるようにしっかり練習しましょう。

後衛は体力との勝負でもあるので、ダブルスをやる場合は何度でも打ち込めるしっかりとした体力をつけるように普段から練習してくださいね。

何度もいいましたが、ダブルスは粘りの種目ですので、しっかりと体力トレーニングしてください。

あとはしっかりとした意思疎通もとても大事ですので、普段から話し合いなど多めに取るようにしましょう。

それでは、最高の後衛になれるように頑張ってくださいね、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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